米マイクロソフトは18日、中国インターネット検索最大手の百度(バイドゥ)が進める自動運転の開発に同社のクラウド事業を通じて参画すると発表した。バイドゥの自動運転開発には世界の大手企業50社以上が参加している。規模の大きな百度連合に加わることで自動運転で先行する米グーグルに対抗する意味合いもありそうだ。
百度は5日に「アポロ計画」と名付けた自動運転開発プロジェクトを始めたと発表ずみ。参加企業には米フォード・モーターや米インテルなど大手企業が名を連ねた。マイクロソフトは同社のクラウド「アジュール」を提供し、自動運転のデータ分析などを支援する。
マイクロソフトの発表を受け、百度は「中国外にいるパートナーは信頼性に足るクラウドインフラを自前で構築することなく使うことができる」とのコメントを発表。アポロ計画に加わるフォードや独ダイムラーなどのアジュール活用を念頭に置いているとみられる。
ソフトウエア企業の間では、グーグルが2009年に始めた自動運転の開発で先を行く。百度は後発だが、グーグルと異なり参加企業を広く募る「オープンイノベーション」の手法で技術の穴を埋めようとしている。
グーグルにとってマイクロソフトはクラウドでは競合相手。そこと組む百度は対グーグルを強く意識している可能性が高い。百度連合にどの企業が加わり何を生み出すかは、自動運転の開発競争の行方を占う注目点だ。
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGN19H1R_Z10C17A7000000/