だいすきな木をきらないで…姿なき「小4男子」との文通
《ぼくのだいすきな木をきらないでください》
9月、神戸・六甲山のふもとの桜の木に、手紙が針金でくくりつけられていた。1枚の紙に、青いペンで書かれた文字が並ぶ。
《なるべく、みきをたくさんのこしてください》
差出人は「小4男子」とあった。街路樹を管理する市職員の志方功一さん(39)は、幼い文面を読んで思った。「子どもにもわかるように説明しないと」
その前日。50本ほどの古木が連なる桜並木の一部に、「倒木のおそれがあるため撤去します」と印刷した赤いテープを巻いた。幹の内部が腐っていたからだ。
志方さんはすぐ返事を書いて、幹に結んだ。漢字にはふりがなをつけた。
《街路樹(がいろじゅ)を大切(たいせつ)に思(おも)ってくれてありがとう。
このサクラは、幹(みき)の半分(はんぶん)以上(いじょう)が傷(いた)んでいて倒(たお)れる危険(きけん)が大(おお)きいことがわかりました》
幹が折れ、そばを走る車にぶつ…
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