下町ボブスレーの構想は2011年にスタート。16年1月にジャマイカのボブスレー連盟が採用を決定し、17年11月には「10号機」を使用した同国女子チームが北米杯で銀メダルを獲得するなど好成績を収めてきた。
だが、平昌五輪直前に使用拒否。ラトビアのBTC社製ソリと比べ、ジャマイカ連盟側が性能や安全性に疑問符をつけていることも報じられた。
こうした経緯からインターネット上では「下町ボブスレーはおとなしく引き下がれ。あまりに無様でみっともない」「むしろジャマイカに謝らなきゃな」
「技術力のある下町のおっちゃんを神格化しすぎた」などと批判の書き込みが殺到する事態となっている。
下町ボブスレー側は5日に会見を開き、7日には公式サイトでも「ソリ開発・貸与の契約解除および損害賠償請求の法的措置を取る手続きを進めます」と声明を発表。
ただ法的措置はあくまで「予告」であり、「これまでの経緯を思い出し原点に戻り、下町ボブスレーを使ってもらうことに立ちかえってもらうことを促すものです」といった内容も書かれている。
担当者は取材に対し、「ジャマイカチームの皆様は世界を転戦しながら日本の下町ボブスレーチームを訪れた時、『家に帰ってきたようだ』と涙を流してくれたこともあります。
2年以上かけ、お互いに信頼関係を築いてきたと思っています。会見とウェブサイトの説明もジャマイカに振り向いてほしくて出した次第です」と話す。
「レギュレーションチェックの申し入れをしていますが...」
7日の声明によれば性能面でも、ジャマイカ側が指名した技術者は、
テスト滑走の結果「下町ボブスレーはBTCより速く、ワルナー(編注:ドイツ製ソリ)と同等」と評価したという。
また、ジャマイカ側は下町ボブスレーに対し「レギュレーションチェックに合格していない」と述べているというが、
担当者は「実際は何度も合格しています」とした上でこう話す。
「不安であれば一緒にチェックしましょうと呼びかけており、ボブスレーの国際連盟にお願いしてチェックの手配を整えました。
ですがジャマイカ側が乗ってくれず、韓国へ行って準備しましたが『我々のソリではない』と言われてしまい...。
再度チェックの申し入れをしていますが、ジャマイカ側から返事がありません」
ネット上の誹謗中傷コメントに対し「町工場のみなさんは心を痛めています。
補助金ドロボーと言われることもありますが、そんな下心はあるはずもなく、資金不足の中で一生懸命やられています。どうかご理解いただければと思っています」と話していた。
https://www.j-cast.com/2018/02/13321155.html?p=all