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女王アリによる長期間の精子貯蔵メカニズムとその進化の解明 後藤彩子（甲南大学 理工学部・准教授） 研究の概要　 女王アリは交尾後10年以上もの長い間、体内で大量の精子を常温で生かしたまま貯蔵します。精子がこのような長期にわたり生存することは、細胞生物学の常識を覆すものです。本研究では、女王アリの精子貯蔵器官「受精嚢」の機能に着目し、女王アリの精子貯蔵メカニズムの解明を目指します。また、この特異な繁殖システムの進化は、特に高度な社会性をもつアリの生態的繁栄を考える上でも重要です。そのため、精子貯蔵に重要な分子の有無や機能をアリと近縁であるハチ類でも調べ、その進化にも迫ります。 抱負 　この度は、サントリーSunRiSEにご採択いただき、深く感謝申し上げます。この大きなチャンスを生かし、長年の夢である女王アリの精子貯蔵メカニズムの解明を目指したいと思います。研究は困難をともなうことが多いですが、少しでも多くの発見ができるように精進してまいります。アリは身近な生き物の代表格と言えますが、まだまだ知られていない面白い生態や能力がたくさんあります。その面白さも伝えていきたいと考えています。 ----------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- サントリーSunRiSE生命科学研究者支援プログラムとは、 科学技術立国を目指して様々な施策やプランが実行されてきたにも関わらず、我が国の科学研究がこの10年間で失速していることが指摘され、将来ノーベル賞クラスの研究者が輩出されないのではないかと危惧されています。 特に基礎研究分野での次世代の若手研究者が、自由な発想のもとに研究を展開できる環境にあるか、心もとない状況にあります。 こうした日本の基礎研究における危機的状況に一石を投じるため、サントリーホールディングス株式会社の発意のもと、同社より寄附を受けて、公益財団法人サントリー生命科学財団はここに、「サントリーSunRiSE 生命科学研究者支援プログラム」「Suntory Rising Stars Encouragement Program in Life Sciences (SunRiSE)」を創設いたします。 このプログラムは、領域の推進や成果達成を目的の中心とおかず、若手研究者が夢や希望をベースにした志の大きい挑戦的なテーマに取り組み、研究者本来の「知りたい、極めたい」を実現できるよう、資金の用途や期間の制限を出来る限り排除し、柔軟性・有効性の高い支援を行うものです。研究者に研究資金を支援することと、その途中経過の評価や成果を他の研究者等と議論することでネットワークを構築し、さらなる展開につなげることも支援いたします。研究者・アカデミズムの内にとどまらず、広く外に開いたコミュニティを築き、社会に発信していくことで、問題提起のうねりを作ります。 これからの日本を担う若者の大いなるチャレンジを支援いたします。 ＃サントリー生命科学財団 ＃サントリー ＃生命科学研究者支援プログラム ＃サントリーSunRiSE