https://hochi.news/articles/20200606-OHT1T50254.html
2020年6月7日 6時0分スポーツ報知
4日の対局中、カメラが狙う藤井聡太七段。8日はもっとクリアな映像になる((C)「第91期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦」主催・産経新聞社、日本将棋連盟、特別協賛ヒューリック株式会社)
将棋の渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に藤井聡太七段(17)が挑戦する第91期棋聖戦5番勝負を生放送するインターネットテレビ局「ABEMA(アベマ)」が8日の第1局から従来より高画質の放送を導入することが6日、分かった。史上最年少タイトル挑戦となる藤井七段が第一人者を相手に史上最年少タイトル獲得を目指す注目のシリーズ。5台のカメラを駆使し、鮮明で臨場感のある映像を視聴者に届ける。
棋聖戦5番勝負を独占生中継するABEMAは、同シリーズの開幕から超高画質放送を導入する。ABEMAによると、撮影カメラではなく、撮影した映像をインターネット放送環境につなぐ伝送装置を刷新する。
装置を新しくすることで、伝送の方式が同局のスポーツチャンネルにも用いられている「H・265」にグレードアップ。1秒間に送受信できるデータ量がちょうど2倍になるため、より美しい映像での放送が可能になった。天井から将棋盤を映すカメラにのみ使用していた装置だが、今回から全てのカメラに導入される。
これまでの中継には天井のカメラ、両対局者を映すカメラ、自由に動けるカメラの計3台が用いられていたが、4日の棋聖戦挑戦者決定戦からそれぞれの顔を前方から捉える2台の新カメラが加わった。計5台と中継態勢も手厚くなっているだけに、より臨場感あふれる映像で、渡辺棋聖と藤井七段の表情もさらに鮮明に見えることになる。
また、インターネット放送は視聴数の増加で回線が混むと、映像が遅れたりフリーズしてしまうケースが度々あるが、今回の刷新によって大幅に改善される。記録的な視聴数が予想されるシリーズだけに、視聴者が恩恵を受ける状況もありそうだ。
将棋のタイトル戦は本来、究極の無観客試合だった。昭和の時代、NHK杯などのテレビ棋戦は当時からあったが、タイトルを懸けて勝負に臨む棋士の姿をファンが映像で見ることは一部の例外を除いて不可能だった。しかし、平成に入ってNHKのBS放送で竜王戦や名人戦の対局室にカメラが入り、2010年代はニコニコ生放送がタイトル戦を続々と放送。17年にABEMAが将棋チャンネルを開設して以降、タイトル戦をムービーで楽しむのは日常になった。
渡辺棋聖が「間違いなく将棋史に残る戦い」と語る5番勝負。長時間にわたって一挙手一投足を伝える側の「将棋放送史」も少し前進することになる。
2020年6月7日 6時0分スポーツ報知
4日の対局中、カメラが狙う藤井聡太七段。8日はもっとクリアな映像になる((C)「第91期ヒューリック杯棋聖戦挑戦者決定戦」主催・産経新聞社、日本将棋連盟、特別協賛ヒューリック株式会社)
将棋の渡辺明棋聖(36)=棋王、王将=に藤井聡太七段(17)が挑戦する第91期棋聖戦5番勝負を生放送するインターネットテレビ局「ABEMA(アベマ)」が8日の第1局から従来より高画質の放送を導入することが6日、分かった。史上最年少タイトル挑戦となる藤井七段が第一人者を相手に史上最年少タイトル獲得を目指す注目のシリーズ。5台のカメラを駆使し、鮮明で臨場感のある映像を視聴者に届ける。
棋聖戦5番勝負を独占生中継するABEMAは、同シリーズの開幕から超高画質放送を導入する。ABEMAによると、撮影カメラではなく、撮影した映像をインターネット放送環境につなぐ伝送装置を刷新する。
装置を新しくすることで、伝送の方式が同局のスポーツチャンネルにも用いられている「H・265」にグレードアップ。1秒間に送受信できるデータ量がちょうど2倍になるため、より美しい映像での放送が可能になった。天井から将棋盤を映すカメラにのみ使用していた装置だが、今回から全てのカメラに導入される。
これまでの中継には天井のカメラ、両対局者を映すカメラ、自由に動けるカメラの計3台が用いられていたが、4日の棋聖戦挑戦者決定戦からそれぞれの顔を前方から捉える2台の新カメラが加わった。計5台と中継態勢も手厚くなっているだけに、より臨場感あふれる映像で、渡辺棋聖と藤井七段の表情もさらに鮮明に見えることになる。
また、インターネット放送は視聴数の増加で回線が混むと、映像が遅れたりフリーズしてしまうケースが度々あるが、今回の刷新によって大幅に改善される。記録的な視聴数が予想されるシリーズだけに、視聴者が恩恵を受ける状況もありそうだ。
将棋のタイトル戦は本来、究極の無観客試合だった。昭和の時代、NHK杯などのテレビ棋戦は当時からあったが、タイトルを懸けて勝負に臨む棋士の姿をファンが映像で見ることは一部の例外を除いて不可能だった。しかし、平成に入ってNHKのBS放送で竜王戦や名人戦の対局室にカメラが入り、2010年代はニコニコ生放送がタイトル戦を続々と放送。17年にABEMAが将棋チャンネルを開設して以降、タイトル戦をムービーで楽しむのは日常になった。
渡辺棋聖が「間違いなく将棋史に残る戦い」と語る5番勝負。長時間にわたって一挙手一投足を伝える側の「将棋放送史」も少し前進することになる。