横断幕やプラカードを掲げ、弾道ミサイルの避難訓練に抗議する市民=文京区で
二十二日に文京区の東京ドーム周辺で開かれた都内初の弾道ミサイル想定の避難訓練。慣れない訓練に参加者がとまどう場面があったほか、訓練に反対する市民グループからは抗議の声が上がった。(清水祐樹、中村真暁)
訓練には住民や企業関係者ら約三百五十人が参加。弾道ミサイル発射の携帯メール配信を受けて地下などに駆け込んだが、メール配信を受けても、すぐに反応しない人の姿もあり、迅速な避難とはならなかった。
訓練後、都の中島敬子情報統括担当課長は「警報が鳴っても、どうしたらいいか分からない人がいたようだ。地震や火事と違って体感できないので分かりにくいのではないか」と分析。「訓練を生かして適切な行動への理解を深めてほしい」と呼び掛けた。
文京区の会社に勤める品川区の会社員森島和博さん(48)は「動ける時間が短いことが分かった。実際は、どこにいるか分からないので、対応は難しいかもしれない」と話した。
一方、会場周辺では、今回の訓練を受けて集まった市民グループ「やめろ!ミサイル避難訓練!1・22緊急行動」が、「戦争訓練反対」などと訴える抗議活動を展開。「無意味な訓練をやめろ」とマイク越しに呼び掛けると、参加者も「戦争ではなく対話を!」「こんなことして意味あるの?」などと書かれたプラカードを掲げ、シュプレヒコールを上げた。
府中市の介護ヘルパー大西章寛さん(44)は「恐怖をあおり立て、戦争に慣れさせていくのが目的だと考える。戦争がないよう、平和、対話への道を切り開く努力の方が重要だ」と主張した。
http://www.tokyo-np.co.jp/article/tokyo/list/201801/CK2018012302000150.html