ーーー沼津駅前
千歌「久しぶりに練習がお休みだから、沼津まで遊びに来てみたけどさ……」
梨子「今日凄く寒いからなのかな、街に人が少ないね……」
千歌「人が少ない、ってレベルじゃないよ! 『無』だよ、『無』! 皆無だよ!」
梨子「ちょっとそれはオーバーなんじゃないかな、表現が……」
曜「……」
千歌「っていうか曜ちゃんはさっきから何だんまり決め込んでるの! なんか喋れーっ!」
曜「……ぇっ?」
梨子「曜ちゃん、声のボリュームが小さい……いつもの元気がどこか行っちゃってるよ……」
曜「……クソ寒い」
梨子「しかも物凄く不機嫌だ……」
曜「クソ寒いったらありゃしないよ、ったく……」
千歌「曜ちゃん! クソ寒いだなんて、汚い言葉使って!」
梨子「そうだよ、はしたないよ……」
千歌「もっと丁寧に、『おクソお寒い』と言いなさい!」
梨子「いや、丁寧に言えば、って言うか、頭に『お』を付けたらいい、って訳じゃ……」
曜「ぁー……おクソお寒い……」
千歌「そう!」
梨子「いや、そうじゃないよ……」
曜「……なんでこんな爆弾低気圧がやってくる日に、遊びに行こう、だなんて誘うの、千歌ちゃんは……」
千歌「今日は練習も無いし、旅館のお手伝いも無いし、言わばチカにとっては絶好の遊び日和だったんだよ!」
曜「絶好の、じゃないじゃん……完全に失敗だよ大失敗だよ……」
千歌「じゃあ曜ちゃん来なかったら良かったじゃん、チカは梨子ちゃんと2人でおデートでも良かったんだからね!」
梨子「デートって言い方は、ちょっと恥ずかしいからやめて……」テレテレ
曜「……千歌ちゃんと梨子ちゃんだけ、っていうのもなんか悔しかったんだから、しょうがないじゃん……」
梨子「ちょっと妬いてる……?」
曜「ぁー、おクソお寒い、おクソお寒いよこん畜生……」
梨子「……曜ちゃんが寒さに弱いのは知ってたけど、まさかこんなに機嫌が悪くなっちゃうなんて……」
千歌「スニッカーズのCMみたいな変わりようでしょ?」
梨子「ごめん、例えがよくわからない……」
千歌「『お腹が空いたら、スニッカーズ!』でお馴染みのCM、知らない?」
梨子「CMのキャッチフレーズ紹介されても困るなぁ……」
曜「……おクソお寒い、おクソお寒いから沼津なんて滅べばいいのに……」
梨子「寒さへの八つ当たりが酷いよ……」
多分マフラーに顔半分包まれながら言ってるんだろうなぁ可愛いなぁ
梨子「ねぇ、どこかお店に入って、体を温めない?」
千歌「うん、そうしよっか。寒さで曜ちゃんの唇、藤木みたいに青くなってきてるし、それに……」
曜「あーもう……富士山噴火しちゃえ、駿河湾からゴジラでも現れればいいんだ……」
千歌「曜ちゃんの八つ当たりもエスカレートしてるし」
梨子「このままだと日本沈没しちゃえ、とか言いかねないもんね……」
>>12
だか声のボリュームもより小さいと…かわいいなぁ 千歌「あそこの喫茶店、どう?」
梨子「うん、いいかも。暖かい飲み物も飲めるし」
千歌「ほーら、行くよ曜ちゃん! あの喫茶店まで駆け足駆け足!」
曜「……おクソお寒いから、体動かすのもかったるい」
梨子「そう言わずに、行こ? 曜ちゃん」
千歌「じゃあさ、あの喫茶店までキョーソしようよ、ビリの人がおごりね!」
梨子「よーし、ビリにならないよう、梨子頑張っちゃうぞー」
曜「……私奢るから、別にいいよ」
ちかりこ「曜ちゃん……」
>梨子「よーし、ビリにならないよう、梨子頑張っちゃうぞー」
顔赤らめながら言ってそうでかわいい
千歌「曜ちゃん! ローテンションにも程がある!」
梨子「せっかく3人で遊びにきたんだもの、いつもの元気で明るい、素敵な曜ちゃんが見たいよ……」
曜「……曜がこんなローテンションなのも、全てはこの東海地方上空を覆う爆弾低気圧のせいだよ……あーもう、おクソお寒い……」
梨子「取りつく島もないよ……」
千歌「うーん、なんとか曜ちゃんのご機嫌直らないかなぁ……」
曜「あーもう、日本沈没しちゃえ……いやデイアフタートゥモローみたいになっちゃえ……」
千歌「どーしたものかなぁー……」
梨子「うーん……どうしたらいいかな……」
千歌「……ところで話変わるけどさ、梨子ちゃんの着てるそのピンクのダッフルコート、可愛いね」
梨子「ありがとう、これお店に飾られてるの、一目惚れして買ったコートなの、梨子のお気に入りなんだ」
千歌「へぇー、どこのユニクロで買ったの?」
梨子「ユニクロじゃないよ、確か沼津駅前の……」
千歌「わかった、しまむらか、しまむら!」
梨子「しまむらも違うから……」
千歌「んー、じゃあなにクロ? だれむら?」
梨子「ユニクロとしまむらから離れて、千歌ちゃん……」
千歌「ほえー、生地もしっかりしてて、凄くあったかそう……」
梨子「これのおかげで、どんなに寒くてもお出かけが楽しいんだ」フフッ
千歌「じゃあ、今の梨子ちゃんは、このコートのおかげで体ぽっかぽかなんだね」
梨子「うん、体ぽっかぽかで寒さ知らず、って感じかな?」
千歌「……ピッカリ閃いた! 曜ちゃんの機嫌を直す方法が!」
曜「……やかましいなぁ……なに、千歌ちゃん……」
千歌「曜ちゃん! 梨子ちゃんはね、今の体がぽっかぽかのぽっかぽかなんだって! 人間ホッカイロと言っても過言じゃないんだって!」
梨子「それは過言だね、千歌ちゃん」
曜「……けっ、おクソ羨ましいね……人が低体温症と戦ってるって時に……」
千歌「だからさ、梨子ちゃんにピッタリくっついちゃえば、あったかくなるんだよ!」
曜「……なんだって?」
梨子「え、なんですって?」
曜「……梨子ちゃんにくっつけば、曜のこの体もぽっかぽかになるの?」
千歌「なるなる! 梨子ちゃんのヌクモリティ半端ないからイケる!」
梨子「ちょっと待って、ピッタリくっつくって……その、つまり……」モジモジ
千歌「こー、やるのだー!」
ガバッ
千歌「えっへへー、梨子ちゃんの右腕もーらい!」
梨子「わわ、腕に抱きつかないでよぉ……」カオマッカ
千歌「わー、あったかい……それに梨子ちゃんのいい匂い……」
梨子「顔が近いよぉ……」カオマッカッカ
千歌「ほらほら、曜ちゃんも早く早く! 梨子ちゃんの左腕空いてるよ!」チョイチョイ
曜「……いいの?」ゴクリ
千歌「どうぞどうぞ」
梨子「勝手に許可しないで……」
曜「……お邪魔しまーす!」
ガバッ
曜「ほんとだ、千歌ちゃんの言う通り、梨子ちゃんあったかい……!」ンフフ
梨子「曜ちゃんも顔が近いよぉ……」カオマッカッカ
千歌「おっ、曜ちゃん笑顔が戻ったね?」
曜「えへへへ、渡辺曜、恥ずかしながら帰ってまいりました!」ケイレイッ
梨子「よかったけど……嬉しいけど……恥ずかしい……」カオマッカッカノカー
梨子「……ねぇ、千歌ちゃん、曜ちゃん……」
千歌「なにー?」
曜「どうしたのー?」
梨子「3人でこんなピッタリ寄り添って歩いてたら……あの、その……」モジモジ
曜「梨子ちゃん声が小さいよー、聞こえないよ?」
千歌「曜ちゃんと梨子ちゃん、形勢逆転なのだ」ニシシ
梨子「ご、ご……誤解、されちゃう……」モジモジ
曜「誤解?」
千歌「誤解、って、なにに間違われるの?」
_____
/::::::::::ヽ
/::::::::::ヽ::ヽ
./:ノ´ヽ:j`ヽヽ::):::l
メイ> < l::ノ:::リ
.l"" - """ l:ノヽ:/
. ヽ/)_____(\_l:l_/::l
. /__/▽/ヽ、\::l
l:/.i>o<i \_/::l
l:l,__:_:___l:::::l
/_/_l_l_l_l_ヽ_ヽ--´
. ヽ_l_/
l::::l::::::l
`-`-´
梨子ちゃんがこのスレに興味を持ったようです
千歌「別に、なーんにも間違ってないよ」
梨子「えっ、えっと、それって……///」
千歌「仲のいい友達同士で腕組むのって、よくあることじゃん」
梨子「え、あっ、あー、そういうこと、そういうこと、ね……」
曜「うんうん、確かにあるあるだね」
千歌「そう、あるある大辞典だよ!」
曜「うわ、それ懐かしいね千歌ちゃん!」
千歌「それに、梨子ちゃんと曜ちゃんとなら……誤解されてもいいけどね」
曜「私も、千歌ちゃんと梨子ちゃんとなら、ね」
梨子「……それ、どういう意味か、わかって……」
ようちか「さあてさて、なんのことやら」
梨子「……もおっ、はぐらかさないでよ……」
千歌「とにかく、早く喫茶店入ろうよ! チカおぜんざい食べたい!」
曜「曜ちゃんパフェ食べたいでありまーす!」
ようちか「行こ行こ、梨子ちゃん!」
梨子「……うん、行こうっか、千歌ちゃん、曜ちゃん」テレテレ
ーーーその後、腕を組んで歩く3人を見たとある通行人が、Twitterで「さっき沼津の駅前の歩道で女の子が3人、仲良さげに腕組んで歩いてた……尊みを感じた、ヤバイ(ヤバイ)」とつぶやいたとさ
終わり
懐かしいな思って調べたらあるある大事典が打ち切りなったのもう10年前だった
知らないラ板民普通にいそうじゃん
久しぶりに書いてみた
曜ちゃん寒さで口が悪くなったりしたらいいのにな、と思う今日この頃
>>47
こマ? おつおつ
寒さでダウナー化する曜ちゃん可愛くて新境地が開けた気分
>>48
07年1月14日が最終回らしい。ほぼ11年前…おそロシア おまけ
パチパチパチパチ
千歌「チカでーす!」
善子「ヨハネでーす!」
ちかよし「2人合わせて、『チカーレットヨハネソン』でーす、よろしくお願いしまーす!」
パチパチパチパチ
曜「……」ジーッ
善子「時に、チカ↑さん↓」
千歌「何やねん、ヨハネ↑さん↓」
善子「チカ↑さん↓はウチら堕天使の仲間の名前……どれだけ知ってますのん?」
千歌「あんた、ウチはヨハネ↑さん↓の相方やで? そらもう、たーくさん、知っとるで」
善子「ほな、言うてみてーな」
千歌「よっしゃ、言うてくでー。石井浩郎、初芝、小谷野、浅村、中田翔……」
善子「ちょい待ちや! そらあんた、堕天使ちゃうで、『打点王』の名前やんけ!」
千歌「え、パリーグだけやなくて、セリーグも言って欲しかったん?」
善子「そういう問題ちゃうわ!」
ちかよし「はいっ!」
千歌「チカと!」キラン
善子「ヨハネ!」ギラン
ちかよし「『チカーレットヨハネソン』!」
千歌「どうだった、曜ちゃん!今のネタ?」
曜「……くっそ寒かったんだけど」
善子「千歌ちゃん、やっぱり野球ネタはダメよ、本格的な堕天ネタでないと、爆笑は取れないわよ」
千歌「そっかー、ネタもう一度考え直すかー……」
曜「いや、堕天ネタでもくっそ寒いんだけど」
ちかよし「」
終わり
寒さでテンションガタ落ちの曜ちゃん可愛いですわゾ^〜