滋賀県湖南市の広報誌「Konan」に、人間の細胞を擬人化して体の働きを紹介する漫画「はたらく細胞」(清水茜さん作)のキャラクターを登場させたところ、市外からも問い合わせがあり、残部がほぼゼロになった。市秘書広報課は「想像以上の反響に驚いている。全国の方に湖南市を知ってもらうきっかけにしたい」と意気込んでいる。
「はたらく細胞」はアニメ化され、今年7〜9月にTOKYO MXなどで放送されるのに合わせて制作会社がコラボ先を募集し、湖南市が手を挙げた。7月には谷畑英吾市長がアニメのプロデューサーと対談し、漫画の内容が健康や体力の増進、病気予防の知識を得るのに役立つと、キャラクターを市のイベントや広報で活用する意向を示していた。
「Konan」は約2万2000部を毎月発行し、新聞折り込みなどで市民に配布するほか、数百部を市役所や市内のショッピングモールなどの常設スタンドに置いている。がん検診を紹介した9月号(9月1日発行)は、表紙にがん細胞などを破壊する「キラーT細胞」を使い、主人公の「赤血球」にも、「がんを早く見つけて治療すると90%以上は治ります」と、受診促進のセリフを付けた。
発行直後から、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)で「湖南市すごい」「どこで手に入りますか」といった声が数多く上がったほか、普段は残部が当たり前の常設スタンドも9月20日ごろには空になり、「前例がない」(市秘書広報課)という店からの追加注文も受けた。新たに200部を設置したが、それもほぼなくなったという。
10月号(1日発行)は免疫異常を抑える「制御性T細胞」を表紙に使い、21日に市保健センター(同市夏見)で開催される「健康まつり」などを案内している。谷畑市長は「アニメは老若男女に浸透する力がある。若い世代が市政に興味を持つきっかけになれば」と話している。
「Konan」のPDFファイルは同市ホームページからダウンロードできる。
湖南市HP
http://www.city.konan.shiga.jp/
毎日新聞
https://mainichi.jp/articles/20181005/k00/00e/040/208000c