■想定外だった"組体操"の反響
――キービジュアルの発表では思わぬところ(登場人物たちのポーズ)で「組体操」と、反響がありました。
まさかキービジュアルがあんなにバズるとは……と意外だったんですけれど、おかげ様で大きな反響がありました。あれは決め打ちで出されてきたものだったんですよ。今回キービジュアルは3つ作っていて、もし一発だけのキービジュアルだったら、もっと普通に見えるものにしていたと思うんです。でも今回は3つあるうちの、しかも2つめですから、ちょっと変化球でいいんじゃないかなと。それがなかなかの変化球だったわけなんですけれど、結果的にあんなバズり方をしてくれたので、あのビジュアルにしてよかったですね。
■――今回登場するナラティブガンダムも、「νガンダムの試験機」で、かつ「換装」ということで、こちらも大きなトピックとなりました。
ナラティブは、「νガンダムの試験機」ではなく、「νガンダム以前に作られたサイコフレーム試験機」という立ち位置になっています。それも含めて、νガンダムが好きな人――僕もνガンダムが一番好きなんですけれど、そうしたファンの方からも反響をいただいたなという感覚はありました。
■――ナラティブガンダムが換装タイプとなったことによって、ファンとしてはすごくうれしいんですけれど、制作陣は大変だなという印象を強くもちました。
そうですね(笑)。当初はCGで全部やる予定だったのですが、設定の問題もあり、作画さんから描きたいという要望があったこともあって、手描きでの表現も多く採り入れています。大型ビーム・サーベルのような巨大なものを振りかざすなど、そういったシーンは手描きじゃないと劇中のような効果は出せないんです。完成した作品を見ると、そういったところも非常にうまくいっているなという感触がありました。
■"完全な悪"ゾルタンの陰にフル・フロンタル
――冒頭映像を見た限りですと、主人公たちの側は鬱屈としている反面、対するゾルタン・アッカネンは明るいというか、鼻歌を歌っている姿がとても印象的でした。
そうですね。今回、ゾルタンのキャラクターについては思い切っています。『UC』の時ってなかなかやらなかったのですけれど、ゾルタンは"完全な悪"として描いているんです。『UC』のepisode 7を作った時に、フル・フロンタルを小説で描かれている"完全な悪"から少し変えてしまった。そのフラストレーションが福井さんの中にあったのかもしれません。今回作るにあたって、「ゾルタンは振り切ろう」という話になり、キャラ造形もそうなのですけれど、キャラクターの内面に関しても、今回は勧善懲悪に近いくらいの悪人として製作しています。冒頭だけだと鼻歌だけしか披露しておらず、おかしなヤツという印象しかありませんが、それ以降に関しては、全編主人公たちを食っちゃうくらい勢いのあるキャラクターになっているので、そこは注目していただきたいですね。
(中略)
■――「UC NexT 0100」の次回作として、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(富野由悠季氏が1989年から全3巻にわたって上梓した小説作品)が劇場版三部作で映像化されることが決定しましたが、なぜ『ハサウェイ』だったのでしょうか。
「僕が一番観たかった」というのが一番の理由なのですけれど(笑)、富野さんの小説の中で、映像化されていないものの一つ、というのがやはり大きいです。クリエイターも何かしら富野さんの匂いがあるものをやりたいという気持ちがみなさんあると思うので、そういうところが合致して、今回『ハサウェイ』を作ることになったということですね。『UC』がちょうどその前の話だったというのもあって、宇宙世紀をなぞっていくとそうなっていくという繋がりもありますから。いろんなものが合致して決定した、というところでしょうか。
――登場するΞ(クスィー) ガンダムなどのMSは、ミノフスキー・クラフトを搭載した珍しい機体ですから、それはどうやって表現されるんだろう……とか、つい気になってしまいます。
でもミノフスキー粒子は見えないものですから。その辺りもどうしようかというのは、今まさにやっているところです。
https://news.mynavi.jp/article/20181129-gundam/
――キービジュアルの発表では思わぬところ(登場人物たちのポーズ)で「組体操」と、反響がありました。
まさかキービジュアルがあんなにバズるとは……と意外だったんですけれど、おかげ様で大きな反響がありました。あれは決め打ちで出されてきたものだったんですよ。今回キービジュアルは3つ作っていて、もし一発だけのキービジュアルだったら、もっと普通に見えるものにしていたと思うんです。でも今回は3つあるうちの、しかも2つめですから、ちょっと変化球でいいんじゃないかなと。それがなかなかの変化球だったわけなんですけれど、結果的にあんなバズり方をしてくれたので、あのビジュアルにしてよかったですね。

■――今回登場するナラティブガンダムも、「νガンダムの試験機」で、かつ「換装」ということで、こちらも大きなトピックとなりました。
ナラティブは、「νガンダムの試験機」ではなく、「νガンダム以前に作られたサイコフレーム試験機」という立ち位置になっています。それも含めて、νガンダムが好きな人――僕もνガンダムが一番好きなんですけれど、そうしたファンの方からも反響をいただいたなという感覚はありました。
■――ナラティブガンダムが換装タイプとなったことによって、ファンとしてはすごくうれしいんですけれど、制作陣は大変だなという印象を強くもちました。
そうですね(笑)。当初はCGで全部やる予定だったのですが、設定の問題もあり、作画さんから描きたいという要望があったこともあって、手描きでの表現も多く採り入れています。大型ビーム・サーベルのような巨大なものを振りかざすなど、そういったシーンは手描きじゃないと劇中のような効果は出せないんです。完成した作品を見ると、そういったところも非常にうまくいっているなという感触がありました。
■"完全な悪"ゾルタンの陰にフル・フロンタル
――冒頭映像を見た限りですと、主人公たちの側は鬱屈としている反面、対するゾルタン・アッカネンは明るいというか、鼻歌を歌っている姿がとても印象的でした。
そうですね。今回、ゾルタンのキャラクターについては思い切っています。『UC』の時ってなかなかやらなかったのですけれど、ゾルタンは"完全な悪"として描いているんです。『UC』のepisode 7を作った時に、フル・フロンタルを小説で描かれている"完全な悪"から少し変えてしまった。そのフラストレーションが福井さんの中にあったのかもしれません。今回作るにあたって、「ゾルタンは振り切ろう」という話になり、キャラ造形もそうなのですけれど、キャラクターの内面に関しても、今回は勧善懲悪に近いくらいの悪人として製作しています。冒頭だけだと鼻歌だけしか披露しておらず、おかしなヤツという印象しかありませんが、それ以降に関しては、全編主人公たちを食っちゃうくらい勢いのあるキャラクターになっているので、そこは注目していただきたいですね。

(中略)
■――「UC NexT 0100」の次回作として、『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ』(富野由悠季氏が1989年から全3巻にわたって上梓した小説作品)が劇場版三部作で映像化されることが決定しましたが、なぜ『ハサウェイ』だったのでしょうか。
「僕が一番観たかった」というのが一番の理由なのですけれど(笑)、富野さんの小説の中で、映像化されていないものの一つ、というのがやはり大きいです。クリエイターも何かしら富野さんの匂いがあるものをやりたいという気持ちがみなさんあると思うので、そういうところが合致して、今回『ハサウェイ』を作ることになったということですね。『UC』がちょうどその前の話だったというのもあって、宇宙世紀をなぞっていくとそうなっていくという繋がりもありますから。いろんなものが合致して決定した、というところでしょうか。
――登場するΞ(クスィー) ガンダムなどのMSは、ミノフスキー・クラフトを搭載した珍しい機体ですから、それはどうやって表現されるんだろう……とか、つい気になってしまいます。
でもミノフスキー粒子は見えないものですから。その辺りもどうしようかというのは、今まさにやっているところです。

https://news.mynavi.jp/article/20181129-gundam/