http://www3.nhk.or.jp/lnews/k/sendai/6005017011.html
雄勝地区唯一の青果店が閉店
東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けた石巻市雄勝地区で、震災のあとに営業を続けてきた唯一の青果店が、
復興の遅れなどを理由に店を閉め、地元の人たちが閉店を惜しみました。
閉店したのは、石巻市雄勝地区の仮設商店街にある青果店、「八百清」で、
26日は、店主の佐藤美千代さん(67)が小学生の孫たちと店を閉める作業を行いました。
佐藤さんは、6年前の震災の津波で自宅を兼ねる店舗が流され、海に近い仮設商店街で、
地区で唯一の青果店として営業を続けながら、集団移転先の高台での再建を目指してきました。
しかし、雄勝地区の人口は震災の前の4分の1に減り、売り上げは、
1日数千円にとどまることも少なくない中で、おととし、店を一緒に切り盛りしてきた夫を病気で亡くしました。
さらに、集団移転先の高台の整備は復興の遅れでメドが立っていないことから、佐藤さんは店を閉める決断をしました。
佐藤さんは、最後にみずから店の看板を外して、青果店の46年の歴史に幕を下ろしました。
佐藤さんは、「地元の皆さんに支えられ営業を続けられましたが、人口が戻らず厳しかったです。
『震災さえなければ』とか、『もっと復興が早ければ』と思いますがもう限界でした」と話していました。
26日は地元の常連客の人たちが佐藤さんをねぎらおうと訪れ、閉店を惜しみ、高台で年内に住宅を再建する68歳の女性は、
「地元の人たちがようやく地元に戻り生活を始める中、青果店がないのは困りますが、一生懸命頑張ってきたのでお疲れ様でしたと伝えたい」と話していました。