「東京裁判史観の克服のため」 稲田防衛相が雑誌に寄稿
稲田朋美防衛相が4月に亡くなった保守派の論客・故渡部昇一氏の追悼文を月刊誌「月刊
Hanada」(7月号)に寄稿。「(渡部)先生のおっしゃる『東京裁判史観の克服』のためにも固
定概念にとらわれず、『客観的事実はなにか』を追求する姿勢を持つことが大切だ」と持論を
展開した。
渡部氏は、稲田氏の後援組織「ともみ組」の会長だった。月刊誌の追悼特集に寄せた文章
で稲田氏は、会長就任の経緯を回顧。「どうしても会長になってもらいたいと言い出したのは、
『ともみ組』の命名者である夫」と明かした。
そのうえで渡部氏が「ともみ組」のパンフレットに寄せた「日本の政治家に今一番必要なのは東
京裁判史観を破砕する知力を基礎にした勇気である」という一文を改めて詳述して紹介。稲田氏
は渡部氏の言葉に応じる形で、「『東京裁判史観の克服』のためにも固定概念にとらわれず」な
どと記した。
稲田氏は9日の閣議後会見で寄稿の内容について質問され、「防衛大臣として先の大戦の認識
を問われると、昨年の8月14日の総理談話で述べられている通り」「(自分を)歴史修正主義者と
は思っていない」などと釈明した。
稲田氏は防衛相就任以前にも保守系雑誌などに頻繁に登場。「子ども手当分を防衛費にそっく
り回せば、軍事費の国際水準に近づきます」「長期的には日本独自の核保有を国家戦略として
検討すべきではないでしょうか」「文科省の方に『教育勅語のどこがいけないのか』と聞きました」
などと持論を展開。これらの言動は政府見解から逸脱するとして、国会で野党の追及を受けて
いる。
http://www.asahi.com/articles/ASK693SF9K69UTFK00F.html