もう一つ、豊田さんと私の二人が共犯で行ったイタズラがありました。高校3年生の時のことです。
大手予備校が、夏・冬など長期休みの時に行う、東大対策模擬試験。
1番からある程度上位の所までは、名前が個人成績表と一緒に受験者全員に配布されるので、
「あ、あの子何番。私は何番」と、それぞれに優越感・劣等感をもたされる全国模試です。
高3の夏、模試の日程を見たら、全国完全に同一日程ではなくて、会場確保の関係か、少しずれた日程が存在していました。
「ねえ、高崎、三島、沼津とかの東京近郊なら、日帰りで行って模試だけ受けられるじゃない。
私が早い日程で受けて問題を持ち帰るから、真由ちゃんは、それで勉強して一番を取ったら?」
もちろん、こんな悪さを考え付くのは、私です。
「えー、ほんと?」
「うん。受けてきたらすぐ問題渡すね」
それで実行したら、豊田さんはとにかく勉強家なので、全科目に近い一番・満点近いトップ独走ぶりの成績で順位表に載りました。
いくら事前に問題を渡されたって、根性なしの私だったら、ろくに勉強しないから、全国1番なんかとても取れません。
後から同じ学校の生徒たちが、成績を見てザワザワしました。
「ねえ!黒い噂が立ってんだけど!豊田さんこんなに全科目一番なんて、おかしくない!?」
私は、心の中でクククと笑いながら「さぁ?豊田さんはすっごく頭いいから、よほど勉強したんじゃないの」、シラッととぼけてました。
もちろん、こんなイタズラは高3の夏、一度きりです。高3の秋冬ともなると、本試験が近いので、模試は実力を測らなければ意味がないし、
私達ももっと本気で必死でした。
くどいですが念のため、東大の本試験や、公務員の本試験で豊田さんがカンニングしたはずはなく、あれはちゃんと実力です。
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