株価が上昇を続けている。しかし、マイケル・ブルームバーグ(Michael Bloomberg)氏は、その理由を説明できないでいる。
「なぜ株価が上がり続けるのか、私にはまったく理解できない」
元ニューヨーク市長で、ブルームバーグの創業者である同氏は9月19日(現地時間)、CBSニュースのインタビューで述べた。
「アメリカ経済は、極めて困難な状況に直面している」と同氏。
「インフラは崩壊し始めている。テクノロジーに仕事が奪われている。我々は、新しい仕事やビジネスを生み出すためにアメリカに来る人々を迎え入れることで、世界中で最高の国であり続けている」
「こうしたことを踏まえて、立ち止まって未来のことを考えなければならない」
株価はここ数年上昇傾向にあり、今月始め、S&P 500は第2次世界大戦以降で2番目となる上昇を記録した。LPL Financialによると、S&P 500は2009年3月から約270%上昇している。
インタビューでブルームバーグ氏は、アメリカ経済が大きな問題を抱えているにもかかわらず、株価が上昇を続けていることに疑問を呈した。
だが、同氏は、株式市場が必ずしもアメリカ経済を象徴しているとは限らないことには触れなかった。上場企業の多くは、海外で事業を行っている。
実際、株式市場が記録的レベルまで上昇する中、専門家は各種の経済データを重視せず、力強い収益の伸びが株価上昇の要因と見ている。
これは、チャートにも現われている。2015年にドイツ銀行のトルステン・スロック(Torsten Slok)氏が発表したもので、2つの円グラフはアメリカの株価と経済状況の大きな違いを浮き彫りにしている。
左の円グラフは、サービス業と製造業の雇用の割合を示している。一方、右の円グラフは、S&P 500企業におけるサービス業と製造業の売り上げの割合を示している。
「S&P 500とGDPの主な違いは、S&P 500企業の売り上げの大部分を製造業、エネルギー業が占めていることに対し、製造業、エネルギー業が生み出している雇用はわずか14%のみということだ」と当時、スローク氏は記している。
データは2015年のものだが、チャートが指摘していることは、今も重要だ。
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