米軍ヘリ窓落下
「文句言うな…」被害小学校に続く中傷
「やらせだ」や「自作自演」まで のぞく沖縄差別
米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)に隣接する市立普天間第二小学校への米軍ヘリの
窓落下事故で、同校などに「学校を後から建てたくせに文句を言うな」といった抗議電話が
続いている。第二小の歴史を踏まえ、差別意識ものぞく抗議の背景を考えた。【遠藤孝康、
中村かさね】
学校側への抗議電話は30件を超え、「やらせだ」など根拠のない誹謗(ひぼう)中傷も多い。
翁長雄志知事は21日、「目の前で落ちたものまで『自作自演』だと来る。それ自体が今までに
ない社会現象だ」と語った。
中傷の背景に何があるのか。沖縄国際大の佐藤学教授(政治学)は「基地集中を中国の脅威
で正当化する誤った正義感がある。一度デマが広がると、事実を提示しても届かない」と話す。
ジャーナリストの江川紹子氏も「政権に一体感を覚える人には、飛行反対は現政権にたてつく
行為と映るのだろう」と指摘する。
2013年、東京・銀座でのオスプレイ反対デモは「非国民」との罵声を浴び、昨年には沖縄県東
村でヘリパッド移設に反対する住民に大阪府警の機動隊員が「土人」と言い放った。差別問題
に詳しいジャーナリストの安田浩一氏は「沖縄が悪質なデマ、『沖縄ヘイト』の標的になっている。
それを日本社会全体の問題として議論すべきだ」と語った。
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