![](http://img.5ch.net/ico/nida.gif)
日本で始まる移民受け入れ
閉鎖的なこの国が外国人労働者の受け入れ拡大へ
The Wall Street Journa
この世界は驚きに満ちている。日本が他の先進諸国の潮流に逆行して移民を受け入れ
る方向に進むとは、一体誰が想像しただろうか。だが安倍晋三首相率いる自由民主党
が高齢化社会と労働力不足に対処するために推し進めている政策は、まさにそういう
ことだ。
日本の景気拡大が7年目に突入する中、企業は労働者確保に必死になっている。
出生率が低いため人口は年間30万人以上減少し、労働市場のひっ迫で失業率は2.4%
まで低下した。東京商工リサーチの調査によれば、人手不足による倒産件数は2016年
から17年にかけて倍増した。
閉鎖的なことで知られるこの国への移民受け入れを拡大するとあって、野党は安倍氏
を攻撃している。日本では外国人による犯罪への懸念が強いうえ、日系人をめぐる問
題の記憶も残っている。1990年代には、南米に住んでいた多くの日系人が日本に迎え
られた。だが金融危機の際、政府は彼らに現金を渡して帰国させた。日本人の職が奪
われないようにするためだった。
だが外国人労働者に代わる妥当な選択肢はない。女性の労働力を増やす取り組みは、
出産後の女性に企業が柔軟な勤務時間を認めることでささやかな成功を収めてきた。
ただ2017年の時点で、25〜39歳の女性の4分の3が既に仕事を持っている。日本の製造
業は中国や米国に比べてロボットへの依存度がはるかに高いため、人工知能(AI)を
活用できる可能性はある。だがロボットが何でもできるわけではない。
外国人労働者の受け入れ拡大案は日本の政治的な基準からすれば大胆なものだが、
それでも労働需要を満たすことはできないかもしれない。疑問点の1つは、受け入れ
る外国人労働者数と試算された34万5000人という数を、政府が上限とするかどうかで
ある。上限であれば労働需要を人為的に抑制しかねない。米国では外国人労働者の
厳しい制限によって、造園や漁業といった産業が弱体化している。
日本のような高齢化社会にとって、外国人労働者の受け入れ拡大に代わる現実的な
選択肢は、景気停滞と国の衰退である。安倍首相が労働力の課題に対処するため、
移民という日本のタブーに切り込んだことは称賛に値する。米国の移民排斥主義者は
日本の例から学ぶことができるだろう。
https://diamond.jp/articles/-/187791?page=2