30年前、男性の6割がたばこを吸っていた。健康志向の高まりとともに、喫煙空間は消えつつある。平成の年の瀬に、たばこにゆかりのある人たちを訪ねた。
「そりゃあ、禁煙が進む端緒になったとは思いますよ」。かつて東京都庁に勤めていた白髪の男性は、ファミリーレストランの禁煙席で振り返った。
「私はこれで、会社をやめました」
このセリフで大ヒットした禁煙パイポのCMは、昭和の終わり、1984年に放送が始まった。
背広姿で小指を立てていたのが、埼玉県毛呂山町の手塚和重さん(78)だ。エキストラ団体に所属し、オーディションに合格して出演した。
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