
北朝鮮、米主張に反論 「制裁解除要求は一部」
2019/3/1 4:19
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO4190427001032019000000/
北朝鮮の李容浩(リ・ヨンホ)外相は1日、ハノイで記者会見した。トランプ米大統領が28日の米朝首脳会談後の記者会見で
北朝鮮が首脳会談で制裁の全面解除を要求したとの発言について「要求したのは一部の解除だ」と反論した。
核実験と大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射の永久停止を文書で確約すると提案したことも明らかにし、米国に北朝鮮の提案をのむよう迫った。
李氏は現地の1日午前0時(日本時間同2時)すぎ、緊急記者会見を開いた。
同氏によると、北朝鮮は「国連安保理による経済制裁11件のうち、
民需経済や人民生活に支障を与える5件に限って制裁の解除を要求した」と主張した。
米国がこれに応じれば北朝鮮は「寧辺(ニョンビョン)のプルトニウムとウランを含むすべての核施設を米国の専門家の立ち会いのもと、
米朝の技術者の共同作業で永久的に廃棄することを提案した」と語った。
李氏はこれらに加え、核実験とICBMの永久停止の文書での確約も提案したにもかかわらず、
米国は寧辺以外にもうひとつ廃棄をしなければならないと最後まで主張したという。
「米国が我々の提案を受け入れる準備ができていないことが明らかになった」と述べた。
李氏は今回の提案が「最良の実現案」とし「米国が再交渉を提案しても我々の方案に変わりはない」と強調。米国に譲歩を促した。
記者会見に同席した崔善姫(チェ・ソンヒ)外務次官は記者団に対し、「米国は機会を逃した」と批判。「米国の反応をみて、
金正恩(キム・ジョンウン)委員長が今後(米国との交渉の)意欲を失わないかという印象を受けた」と語った。
崔氏は米国との次回会談について「まだ決まっていない」とし、「こうした機会が再び米国にやってくるかは断言が難しい」と語った。