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環境省が中央アルプスで取り組むニホンライチョウの「復活作戦」に参加している栃木県の那須どうぶつ王国は15日、4歳の雌が13日に死亡したと発表した。死亡した雌は、8月に中アから移送したひな6羽の母鳥。残されたひなの健康状態は良好で、少しずつ落ち着きを取り戻しているという。
同園によると、13日午前7時40分ごろ、飼育室で動けずに横になっている母鳥を飼育員が発見。治療を行ったが、その後死亡が確認された。飼育室に設置していたカメラには、前日の12日午後9時40分ごろ、母鳥が突如パニックを起こし、激しく飛び回る様子が計27回確認されたという。パニックを起こした原因は不明で、調査を進めている。
同園の佐藤哲也園長は「移送から1カ月が経ち、ライチョウ家族が新たな環境にも慣れてきたところだった。改めて、ライチョウ飼育の難しさを痛感した」とコメントした。環境省信越自然環境事務所の小林篤専門官は、復活作戦への影響について「現時点では分からない」とし、「残されたひなたちが立派に育って繁殖するよう、園と協力して取り組んでいく」と話した。
http://www.nagano-np.co.jp/articles/83059