モバイル版第12世代Coreは、M1 MaxやRyzen 9を超える性能を発揮
Intelは1月3日から米国ラスベガスで開催されているCESにあわせて報道発表を行ない、同社がAlder Lakeの開発コードネームで開発してきた「第12世代Coreプロセッサ」(以下第12世代Core)のノートPC版や、デスクトップPC版の追加SKUを発表した。発表内容に関しては別記事をご参照いただくとして、本記事では、第12世代CoreのノートPC版について解説していきたい。
今回発表された第12世代CoreのノートPC版には、TDP 45WのHシリーズ、TDP 28WのPシリーズ、TDPが15W/9WのUシリーズの3つがあり、UシリーズにはTDPが15WでH/Pシリーズと同パッケージのU15と、9Wで専用小型パッケージのU9の2製品が用意されている。従来の第11世代Coreプロセッサ(以下第11世代Core)では、パッケージが2種類に整理されるなど、よりシンプルな構成になっているほか、PシリーズとU15を同じマザーボードでカバーすることができるようになったので、OEMメーカーの製品構成がより柔軟になるという特長を備えている。
また、Pシリーズの最上位製品となるCore i7-1280Pは、ハイブリッドアーキテクチャの採用によりPコアが6コア、4コアでPコアが1コア相当とされるEコアが8コアという構成になっており、従来の第11世代Coreでいえば“8コア相当”のCPU構成に強化されており、大幅なパフォーマンスアップが期待できそうだ。
違いはいくつかあるのだが、大きく言うと以下の点が異なっている。
* CPUはハイブリッド・アーキテクチャとなった
* メモリはDDR5とLPDDR5に対応
* HシリーズのPCHはパッケージ内に統合
* H35は廃止され、従来のH45に1本化
* 第11世代のUP4はベースTDPが9Wだけだったが、第12世代ではU15(15W)とU9(9W)という2つの枠に分割
* 第11世代では28WのUP3と15WのUP4は別パッケージだったが、P28とU15は同パッケージに
* P28の最上位SKU(Core i7-1280P)は6(Pコア)+8(Eコア)で、CPUが従来の数え方での8コア相当になり性能が大きく向上
それぞれ特長をチェックしていこう。第12世代Coreになって最も大きく強化されるのは、CPUがハイブリッド・アーキテクチャになっていることだ。既に以前のデスクトップPC版第12世代Coreが発表された時の記事でも説明した通り、Pコア(Performance Core)とEコア(Efficiency Core)という2種類のコアを搭載している。
こうしたアーキテクチャの改良と、より幅広い熱設計消費電力のレンジに対応することにより、第12世代Core(のHシリーズ)は、SPECcpu2017を利用したベンチマークでは、AppleのM1 Maxや、AMDのRyzen 9 5900HXなどよりも高いピーク性能を発揮するとIntelでは説明している。
なお、内蔵GPU(Xe-LP)は、基本的なアーキテクチャは第11世代Coreと同じで、EU数などの演算器の数も同じと基本的には変化がない。ただ、前述の通りLPDDR5の採用でメモリ帯域幅は広がっているので、内蔵GPUの性能自体は若干向上していると考えられるだろう。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1378176.html
Ryzen9とApple M1 Maxを超えたソース