2019年06月20日
週刊SPA!編集部
外国人労働者の本格的な受け入れに舵を切った我が国だが、外国人の身分証である「在留カード」の偽造品が蔓延しているという。ユーザーには中国人や東南アジア出身者が多いというが実態はどうなっているのか。接触を試みた!
SNSの在日中国人グループで堂々と宣伝・販売されていた
外国人労働者の受け入れ拡大を目指す改正入管法が施行された。新たに創設された「特定技能」という在留資格で、政府は5年間で最大34万人を受け入れる計画だ。 こうしたなか、在日外国人の不法就労が急増している。法務省によると、昨年上半期に確認された不法就労者は4889人。’14年以降で過去最悪ペースを記録しているのだ。これに伴い、不法就労者が利用する偽造在留カードに関する摘発も増えている。 警察庁によると、カードを所持・販売した外国人の摘発件数は過去最多となった’17年の390件を上回るペースで推移しているという。
1月に東京入国管理局が摘発した事例では、国内の偽造拠点で数千枚にも及ぶ台紙を押収している。現場に居合わせた中国籍の男が逮捕されたが、背後にいる組織の実態解明は進んでいない。 今回、取材班はこうした組織にアプローチを試みた。調べていくと、中国版LINEの「微信」にある、在日中国人らが集うチャットグループのなかで「アルバイト斡旋グループ」が目に留まった。
「在留カード。低価格、最高品質」 「どうすれば購入できるの?」とメッセージを送ったら、間もなく「顔写真と名前をこちらに送って。価格は1枚8000円。決済はWeChatペイの送金か銀行振り込みで。決済後、1週間以内に納品できる」との回答が来た。 続いて、「学生証もいけるのか?」と聞くと、「たいていのIDはいける」と返信があった。さらにそれ以外にも、高所作業車の運転技能講習修了証や運転免許証も偽造可能で人気だという。偽造免許証でハンドルを握ったり、偽資格証で工事をする外国人が一定数いるということになる。
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<業者が偽造可能なID>
・運転免許証
・高所作業車資格証
・各種の組合員証
・卒業証書
・在留カード
・学生証
・国民健康保険証
・マイナンバーカード
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しかし、その後もいくつか質問してみたが、しばらくして怪しまれたのか返信は途絶えてしまった。
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偽装カード密売業者との接触に成功
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